2時間講習

高齢者講習は以前は年齢に関係なく3時間で実施されていた。

しかし増加し続ける受講者に対して教習所の受け入れが間に合わない現状の改善を目指して、さらには増えていく高齢運転者の交通事故に対抗すべく平成29年から制度が改正される。

70~74歳までの人、あるいは75歳以上で事前に行われる認知機能検査で優秀な結果を得た人に対しては2時間の講習で免許更新が可能となった。(認知機能検査については別の機会にしっかり説明したい)

ここではまず2時間講習について語っていこう。



まずはこの講習、受講できる人数に上限が設定されている。

指導員1人に対して受講者は3人である。教習所によって異なるが2人の指導員を用意して1か所で6人の受講者に対応する場合がほとんどであろう。

内容はすでにネットなどで公開されていたりするが、以下の通りである。

・指導員が行う簡単な座学講習。

・視力検査(静止視力、動体視力、夜間視力、視野)

・コース内において実車指導(一応録画あり)

シンプルに言うとたったこれだけだ。というよりも2時間ではこの程度のことしかできない。

ちなみに受講料は5100円である。

まず座学講習についてだが、指導員はいったいどのような話をしているのかということだが、驚かれるであろうが特には決まっていない。言わば自由に語っている。熱心な指導員は道路交通法の改正点や年齢とともに衰える体の機能がもたらす運転への影響などを一生懸命に話す場合もあるが、多くは大した話ではない。よくある話は、75歳以上になれば講習受講の前に認知機能検査を受験しなければならないこと、75歳以上の人は一定の違反によって公安委員会に呼び出されてしまうことなどを話すケースが多い。しかしながらこのような話はそもそも配布する冊子に全て書かれていることであり、あえて言う必要などない。

次に視力検査だが、これについては別の機会にじっくり語りたいがハッキリ言ってしまえば教習所で測定する視力など全く意味はない。なぜなら教習所で測定する視力検査の結果に関わらず免許更新時に警察署で改めて測定するからだ。夜間視力、動体視力、視野(水平)は一見、測定する価値がありそうではあるがこれについても別の機会に語っていこう。

一番の問題は実車指導だ。これについては呆れるほかない。まず実施する課題は決まっている。教習所によって選択できる部分もあるが、私の記憶の範囲で言えば方向変換(またはパイロンスラローム)、狭路通行、段差路、一時停止の標識の通過、見通しの悪い交差点、進路変更、カーブ走行、信号の対応。この程度だった気がするが間違いがあるかもしれない。(ちなみにネットで運転行動診断表と検索すると実物が見られる、ただし都道府県によって若干異なっているようだ。)

なぜこれが呆れるのかといえば、この実車指導は一応受講者に運転させるわけだが、出来、不出来など一切関係ない。要はとりあえず走らせて雑に診断表を作成してコピーを受講者に渡してしまえばそれで終わりだ。本当にただの流れ作業だ。間違いない。私が実際にやっていたのだ。しかしこれも仕方ないことだ。何しろ時間がない。丁寧に説明したり運転行動を注意したり是正する余裕などないのだ。さっさと走行させてできなければ診断表にチェックを入れて渡してしまえばそれで良しなのだ。これでは受講者である高齢者は何をやらされているのかさえ理解できないだろう。



高齢者講習は高齢者の安全運転のためではなく教習所の都合のために実施されているのだ。

意味のない話、意味のない視力検査、全く意味のない実車指導、こんなもののためにお金を払ってくれる高齢者に私はいつも恐縮していた。高齢者講習の制度が始まったときは、よく文句を言われたものだが今となっては高齢者も諦めたかお礼を言われることも多かった、後日お礼の手紙もいただくようなことも実は数多かった。本音を言おう、『申し訳ない、大雑把に作業のようにやっていただけです。』

ざっくり言えばこれが2時間講習である。では次に3時間講習について語っていきたい。

 



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