認知機能検査②

『認知機能検査①』において制度の概要を説明した。

今回は具体的に検査内容について暴露していく。

暴露と言っても大した話ではない。

実は「認知機能検査」と入力して検索すれば内容は包み隠さず表示される。画像検索に切り替えれば実際の問題用紙まで出てくる状況になっている。

運転免許更新に関わる大切な内容がおおやけにされていて大丈夫かと心配する人もいるかもしれない。

結論から述べれば全く問題ない。この検査は順位を競うものではない。受検者の認知機能の状態を知るべく実施するものだ。したがってすでに内容が公開されていたとしても、受検する者があらかじめ予習し内容を覚えて検査会場まで来られるようであれば、すでにその受検者は認知症ではないと証明できている。

その反対に内容が公開されているにもかかわらず点数が全く取れない者が自分は認知症ではないと言い張ってもそれは全く説得力はない。

前置きが長引いたのでそろそろ内容に入りたい。

認知機能検査は以下の内容で構成される。

(1) 時間の見当識

(2) 手がかり再生

(3) 時計描画

この3つだ。1と2の課題の間に実際には介入する課題が存在するが、これはダミーであり得点には一切関係しないのでここでは記載していない。



まずは(1)時間の見当識についてだ。

この課題では以下の質問に答えてもらう。

「今年は何年ですか?」

「今月は何月ですか?」

「今日は何日ですか?」

「今日は何曜日ですか?」

「今は何時何分ですか?」

当然のことながら受検者が携帯電話を持っていたり腕時計をしていたらこの検査は成立しない。事前に携帯電話の電源を落としてもらい、腕時計は外して机の中には内容にしてもらう。

今年は何年ですか?、の質問ついては西暦でも和暦でも問題ない。むしろ省いても問題ない。〇〇年。だけでも正解だ。ただし間違っていれば当然得点なし。多かったのが昭和〇〇年と記入する高齢者が多かった。

今は何時何分ですか?、の質問についてだがこれは正確に分かるものではない。受検に際してあらかじめ予約を取って集合時間を認識して会場まで来たわけだからその時間から推測して答えるわけだ。実際の時間より前後30分は正解となる。



次に(2)手がかり再生についてだ。

この検査では受検者の前に16枚のイラストを出してどんな物だったかを覚えてもらう。実際の実施要領では4枚の絵を同時に表示して合計で4回表示して最終的に16枚のイラストを記憶してもらう。

すでに公開されているから具体的に言ってしまおう。

大砲、オルガン、耳、ラジオ、定規、オートバイ、ブドウ、スカート、テントウムシ、ライオン、タケノコ、フライパン、にわとり、バラ、ペンチ、ベッド。

1つのパターンでこんな具合だ。実は3つのパターンがあって大砲ではなくて機関銃であったり、ライオンではなくて牛だったり、ニワトリではなくクジャクの場合もある。

まずはイラストを記憶してもらう。実施要領では一枚のボード(4種類の絵)で約1分ほど時間をかける。その後、検査官が1つずつイラストについて質問をする。例えば「この中に戦いの武器があります、それは何ですか?」という具合だ。受検者はそれについて答える、この検査は基本的に声を出してはいけないがこの時は声に出して答えてもらっている。このような方法で16種類のイラストを記憶してもらう。

さてここで早速書き出すのかといえばそうではない。得点にならない介入課題を実施する。多くの数字が並んだ中からこちらで指定した数字のみ斜線を引いて削除してもらうというものだ。この課題はどれだけ頑張っても得点にはならない。先ほど覚えたイラストを忘れさせるためだ。この課題に必死になっている受検者を見るといつも何とも言えない気分になった。

この課題が済んだらいよいよ覚えたイラストを書き出して答えてもらう。初めは全くのヒントなしだ。

平仮名でもカタカナでも漢字でも何でも可。イラストの順序も関係ない。多少間違っていても近い物ならOK。

採点基準にこれなら正解。これは不正解といったガイドラインがあった。納得できなかったのが正解が「クジャク」の場合で七面鳥は正解にできるのにキジは不正解になる。いまだに納得できていない。

今となってはいい思い出だが採点するときに文字の解読が大変なこともよくあった。

これが済んだら、次は新たな解答用紙にもう一度思い出して書き出してもらう。

しかし今度はヒントが記載されている。

「戦いの武器」「楽器」「体の一部」「電化製品」「文房具」「乗り物」「果物」「衣類」「昆虫」「動物」「野菜」「台所用品」「鳥」「花」「大工道具」「家具」といった具合だ。

それぞれに対応した回答を記入してもらう。といっても採点するときはイラストの中にあった物ならばどこに記入しても正解になる。例えばヒントが花のところにライオンと書いても正解なのだ。

意味が理解できない受検者がたまにいる。解答欄にヒントの内容をそのまま書き写している受検者も見られた。やはり結果は厳しかった。



最後に、(3)時計描画の課題となる。

この課題の解答用紙はほぼ白紙。受検者には時計を描いてもらう。(もちろん針のタイプ、デジタルではない)

初めに大きな円を描いてもらって、その中に時計になるように数字を描きこんでもらう。この時検査官は1~12までなどとヒントを言ってはならない。あくまでも時計の中にあるべきはずの、という程度の言い方にとどめなければ検査にならない。

描き終わったら次に検査官が言った時間になるようにその時計の文字盤に針を描きこんでもらう。

採点基準はまずは1~12までの数字が書かれているか。数字の順番が昇順になっているか。これは昇順になっていればよいので1~12までの数字が書けていなくだいじょうぶになる。例えば1と5と10だけしか書いてなくても昇順になっていれば問題ない。

次に短針が指定した時間になっているか、長針が指定した分になっているか。短針と長針の長さはおかしくないか、を見て採点する。ただの線で構わないのだがよく画力を発揮すべく大作な時計を描いていらっしゃる受検者もいた。もちろん加点にはならない。

検査内容としてはこのようなところだ、この記事では文字しかないので伝わりにくいかもしれないのでネットで画像検索してほしい。よくわかるはずだ。

では次にこの認知機能検査の実際の問題点を指摘していこう。

『認知機能検査③』に続く。

 



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