今さら・・・

ここまで高齢者講習について書いてきたが改めて見てみると高齢運転者の味方をしているような印象を受ける読者の方が多いのではないかと思う。

それは誤解だ。私は高齢者の味方ではない。高齢者講習制度については、責任逃れ体質な警察庁といい加減で高齢者からお金を巻き上げている教習所の敵なのだ。

最近になって高齢運転者による交通事故の報道が増えている。ニュース番組だけでなくワイドショーのような番組でも多く取り上げられ専門家のようなコメンテーターが実に権威ばったコメントを残している。

しかしながら教習所の現場で高齢者講習に当たっている指導員からすれば「何を今さら、」といった具合だ。

今回は高齢者の運転の実態について私が実際に高齢者講習を実施していた時のことを記していきたい。



よくアクセルとブレーキを踏み間違えるといった高齢者の事故があるが、(本人はブレーキを踏んだが効かなかったというやつだ) 私を含め高齢者講習を担当する現場指導員は毎日に近いくらいこの現象を目の当たりにしている。

普通に走行していて赤信号などに対して停止する際に踏み間違える高齢者は意外にも少ない。

よくあるのは曲がってすぐに信号がある場合などに停止するケースだ。低速で動いていてそこから停止する場合にブレーキと間違えてアクセルを踏み込むことが多かった。本来は低速で動いていてもドライバーは先の状況を見てブレーキを構えている。しかし彼らはその構えができずに先の状況が停止が予想されるにも関わらずアクセルに足を置いているのだ。そしてそのまま自分が足を置いているのがブレーキだと信じてアクセルを踏み込んでしまう。しかもブレーキと信じ込んでいるので驚いてさらに強く踏み込んでしまう。ちなみにこれは運転免許を取得する前の教習生でもよくあった。

他にはサイドブレーキが足踏み式のタイプが今の主流だが教習車は昔ながらの手動式だ。高齢者にとってはこういった少しの違いに対応することが難しい。サイドブレーキがかかったまま走り出す人も多いし、何度言っても左足でそこにはないサイドブレーキを解除しようとし続けている。

チェンジレバーも同様だ。最近の車は軽自動車からミニバンを含めコラムシフトを採用する場合が多いが教習車は昔ながらのフロアシフトだ。やはり少しの違いに対応することが高齢者にとっては難しく、どれだけ言っても、ないはずの位置にチェンジレバーを探して空振りばかりしている。またチェンジレバーの操作もよく間違えるわけだがその後が怖い。高齢者に多いのが後退した後にリバースからドライブに変えようとしてニュートラルで止めてしまっていることだ。自分が間違えていることも自覚できずにアクセルを踏み込む、さらにはそのままチェンジレバーを操作して車両を暴発させる。



不思議なことに高齢運転者は講習開始前のアンケートには運転に自信があると答える人がほとんどだったりする。だからこそ更新しに来るわけだが・・・

重ねて申し上げるが教習所の現場指導員は毎日こんなことを見ているのだ。コース内の逆走、左車線から右折など大したことない程度のことだ。軽く流して終わっている。

連日ある高齢運転者の交通事故の報道に対して「当たり前だよね」と納得しているだけだ。

何度も言うが現在の高齢運転者の実態に対し、高齢者講習制度は大して役に立っていない。そこにあるのは教習所の金儲けと現場指導員の憂鬱だけだ。



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